いや、結局は溺愛という事で片付けてしまえるのだろう。どうしようもなく、どうすることもなく、ただあの男を愛していると叫べるのならば。
政宗はそんな事をつらつらと考えて嗚呼俺はどれだけ乙女なのだ子供なのだと自己嫌悪に陥った、少しの間。それでも変わる事の無い事実として、揺るぎない真実として、今自分の隣に座ってのんびりとしているこの男が、この、前田利家という男が、ただ、ただ、単純に純粋に当たり前のように、
「利家、愛してるぜ」
「ん、なっ…何を言うんだ政宗っ、突然っ」
そう囁く事が出来る程に、甘くあまく、あまく。
「…そんな事言ったって何も出んぞ」
「わーかってるよ」
たったこれだけの会話が嬉しくて楽しくて愛おしい。どうしようもない愛情?そうじゃない、どうしようもないのは自分だ、この俺だ。政宗は胸中それだけを呟いて、そして吐息した。
どうしようもないから、どうもしたくない。このままでいい。このままで構わない。隣に、利家が居てくれれば。つくづく甘い。これを愛と呼べるのならば、きっとこれが最初で最後の愛。
それだけで、十全。それだけで、満足。
(まあ足りねぇモンといえば、こいつの口から「愛してる」って言ってもらうことだけか。)










ただ、きみを愛してる。























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